他人を安易に褒めるというのはテクニカルでしかない.

他人を安易に褒める人間というのは,星の数ほどいる.

僕はそれだけで辟易するのだが,その道を専門にしている人間を門外漢が云々言うというのは,やはり道理に合わないと思う.

実際,僕も,その道を行く人間にとっては本当に大した仕事ではないのだが,門外漢からはどうにも素晴らしいことのように見えるようで,褒められることがある.日常茶飯事である.

その仕事の難易度を推測できないような知識レベルで,何某かを評価するというのは浅薄で傲慢なことではないのだろうか.或いは,そういった弁えを持っている人間に対して私は畏敬の念を払うのではないか.などと考える.

単純に,実生活上において,褒められるというのは大変気持ちの良いことであるから,他人を良く褒める人間というのは反感を買いにくい,というのは間違ってはいないだろう.前述なような理由で,それらが誤謬であると感じている私は,そのテクニカルなコミュニケーションに妬みのようなものも抱いているのかもしれない.